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CUUN 2020年6月号「口臭・歯垢・歯石」

こんにちは。獣医師の佐々木将雄です。日々の診療の中で遭遇した病気について、飼い主様にはできる限り多くの情報を分かりやすく説明させて頂き、ご理解を頂いた上で治療しておりますが、その反面、飼い主様の目線から見たペットの習性や行動についてたくさんの情報を得ることができます。獣医師は病気だけではなく、ペットや飼い主様の生活全体を把握する必要性を常に感じています。
今回、お悩み相談を受けました「歯垢・歯石・口臭」もその一つとなりますので、お悩み解決に向けてお話しさせていただきます。

愛するワンちゃんが毎日、美味しそうに食事をする姿を見ていると幸せになりますよね。ペロッと食べたあと、足りなそうな顔をして近寄ってきたとき「あれ!口が臭う!?何かの病気かな?」と感じたり、心配した経験はありませんか?
ペットが自分で歯磨きをしてくれるといいのですが、普通はやってはくれません。残った食べカスを元に細菌が増殖し、歯石が形成されて口臭が発生します。その後、何もしなければ歯肉炎や歯周炎、歯根膜炎(歯槽膿漏)などの歯周病を引き起こし、最悪の場合、二次的に肝臓や腎臓、心臓の病気に発展して命に関わるケースもあります。日々の診察で、歯石のチェックをしてデンタルケアを推奨していますが、ただの「汚れ」ぐらいにしか考えていない飼い主様が多いことに悩まされています。

【歯や口の中は人間と違う】
生まれてしばらくの間は28本の乳歯で生活し、約6~12か月までに42本の永久歯に生え変わりますが、歯磨きの習慣がない場合、生えそろって間もなく歯石が付き始めてしまいます。日本小動物歯科研究会によると、3歳までに80%の犬に「歯周病」や「歯石」が発生することが分かっています。汗をかけない動物は、体温調整のために唾液を多く分泌しますが、アミラーゼという酵素がほとんど含まれていないため、pHがアルカリ性に傾き、人間に比べ歯周病になりやすいと言われています。人間の口内が弱酸性なのに対し、ペットはアルカリ性を好む「歯周病菌」が繁殖し、悪化すると歯の周りの骨を溶かし、あっという間に歯垢から歯石に変化してしまうのです。

【歯石はなぜできるの?】
皆さんは食後に必ず歯磨きをしますね。当然、家族同然のペットも一緒に歯磨きをしたいと考えていると思いますが、「嫌がって口を触らせてくれない・・・」、「人間より時間がかかりそう・・・」と、ついつい歯磨きを断念する方が多いようです。その結果、細菌が増殖して、歯垢(プラーク)を形成し、歯石に変化させてしまうのです。口の中がアルカリ性の環境下では、たった数日(犬:3~5日間、猫:7~9日間、人:20日間)で歯石が形成されてしまいます。その後、歯周ポケットに深く入り込んだ歯石により、好気性細菌が減って嫌気性細菌がさらに増殖します。特に『ポルフィノモナス・ジンジパリス菌(ペットで1番多いの歯周病菌)』が最も悪い菌と言われています。その歯周病菌から産生されるプロテアーゼ(蛋白分解酵素)により、「歯肉」や「歯槽骨」が溶けて歯がぐらぐらして抜けてしまういます。また、この菌は体全体にも影響を及ぼします。体内に血栓を作り脳梗塞や心筋梗塞の発症を誘発したり、インスリンの働きを弱め、免疫細胞のT細胞を破壊したりと、ペットの健康を脅かし15~20%も寿命を縮めてしまうと言われています。

【口に触れさせもらう習慣が必要】
口臭の原因となる、歯垢や歯石を見逃さないためにも、毎日、ワンちゃんの口の中をチェックすることを推奨します。ワンちゃんに歯石が付き始めるのは3歳ころからですが、その頃から歯磨きを始めようとしても、なかなか口の中をさわらせてくれません。ですが病気にならないために、まずは諦めずに挑戦してみてはいかがでしょうか?口や鼻の周りを触られることは基本的に嫌がりますので、じゃれあって遊んでいるうちに、褒めながら口に指を入れる練習をしてみてください。慣れてきた段階で、濡れたガーゼを指と一緒に入れ、少しずつ歯を擦り始めます。慣れてきたら、歯ブラシで優しく磨いてください。少しずつ、何日、時間をかけて慣らしていく事が必要になります。

【歯石の取るには麻酔が必要ですか?】
歯石には、大きく分けて3つのタイプがあります。どのタイプかによって、デンタルケアのやり方も変わってきます。

  • タイプ1は「石タイプ」です。皆さんが見て、1番分かりやすい固いセメントが張り付いたような歯石のタイプで、歯周病菌の増殖が多い時に形成されます。このタイプはハンドスケーラーなどで圧力を加えると「ポロッ」と部分的に剥がれて取れてしまうこともあります。
  • タイプ2は「ヤニタイプ」です。漆(うるし)のように黒茶色のタールのようにこびり付くタイプです。このタイプは湿らせたガーゼや歯ブラシで擦ると、剥がれることもありますが、歯のすき間にはいったものは除去しずらくなります。
  • タイプ3は「1と2の混合タイプ」です。ワンちゃんの歯石の70~80%がこのタイプです。ハンドスケーラーを使用しますが、長時間のスケーリングに耐えられないペットが多く、ほとんどの場合、全身麻酔で超音波スケーラーを使用した処置が必要となります。

この3つの種類は、食べ物の種類、唾液の量や含まれる酵素の割合、歯周病菌の種類、酵素の働き方、年齢によって、歯石のタイプが決まると言われています。
頑固な歯石は、歯ブラシだけでは取り除けないため、スケーラーが必要となります。更に、歯根膜炎が進行した場合、歯周ポケットに深く入り込んだ歯石は麻酔無しではすべてを取り除くことは不可能になります。

【手軽にできる方法やアイテムは?】
最近は「液体・ジェル歯磨き」を併用する飼い主様が増えてきました。歯ブラシで物理的にこする歯磨きが理想的ですが、口に含ませるだけのデンタルケア商品もあり、動物病院や量販店で販売されています。中でも天然成分配合の商品が注目され、多くのペットオーナーに好評です。しかし、人間の歯磨き粉と同様に、防腐剤や抗酸化剤などが使用され、口の中の常在菌を守っている粘膜上皮「バリア機能」に悪影響を与えてしまいますので、ワンちゃんが飲み込んでしまうことを、1番に気をつけなければなりません。

そこで、今回のお悩み相談を受けた飼い主様も体験後、口臭の改善が見受けられた100%天然成分「月桃・へちま・温泉混合液」の「アルピニア」をご紹介いたします。注目すべき点は、今までお話してきましたポルフィノモナス・ジンジパリス菌の殺菌データを「月桃」は取得していることです。口の中に入って1分で99.97%の除菌率で、ピロリ菌も1分で99.3%除菌するデータを取得しています。天然成分の月桃ポリフェノールはバリア機能の回復、抗炎症作用、アンモニア分解試験(動物の体臭はアンモニア由来)も取得しています。皮膚や口の中の両方に使用できる商品はほとんど無く、歯肉炎や口臭・体臭ケアの両方にも最適であると考えられます。
家族の一員である大切なペットには、治療実績のある安全な商品を日々のオーラルケアに使用して頂き、病気にならないための”体づくり”に努めて頂ければ幸いです。

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