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CUUN 2020年12月号「マムシの咬傷」

こんにちは。獣医師の佐々木将雄です。12月に入り、朝晩の冷え込みが一段と厳しく、人も愛犬も体調を崩しやすい環境になっています。クリスマスや年末年始を楽しく健やかに迎えられるよう日々の管理とともに、愛犬の行動を注意深く観察してくださいね。
今回のご相談は、はるちゃん(男の子3歳)とうららちゃん(女の子1歳)の仲良し兄妹の飼い主様からです。「夏の散歩中、うららがマムシに手首を噛まれ3 倍ぐらいパンパンに腕が腫れて、10日後ぐらいから徐々に肩からつま先にかけて毛が抜け落ち始めました。病院の先生には、この症状には今のところ薬がないので、毛が生えるのを待つしかない。もしかしたら元通りに生えてこないかも・・・と、言われてショックでしたが、アルピニアを少しずつ患部に染み込ますように塗布し始めたところ、皮膚のコンディションが良くなり、うっすらと毛が生え始め、病院の先生と一緒にビックリしました!」と、喜びのお声をいただきました。そこで飼い主様から「マムシに噛まれて怪我をした後の傷と周辺の皮膚の回復や発毛」について、詳しく知りたいとのことでしたので、マムシの毒性や治療方法なども含めてお伝えいたします。

【愛犬がマムシに噛まれたときの対処法】
人は、毒ヘビによって世界で年間50万人が咬傷をうけて約4万人が死亡しています。日本では、マムシによって年間約3,000人が受傷、約10人が死亡し、沖縄や奄美諸島では、ハブによって年間約300人が受傷しています。最近は抗毒素血清の治療で、死亡者は減少していますが、大きな後遺症を残す場合もあります。愛犬の場合、正式な統計はありませんが、年間5,000件以上が受傷すると言われ、当院でも年間4~5件の症例を経験しています。
マムシに噛まれたときは、出来るだけ早く動物病院に連れて行き、診断と治療を推奨します。テレビで見るように「咬傷の毒を吸って吐き出す!」とことをしないで、早急に安静に愛犬を搬送してください。毒が体内にすぐに回ってしまうため、不適切な応急処置に時間をかけた結果、飼い主様も愛犬から毒をもらって、愛犬とともに患者になり兼ねません。

【マムシに噛まれた?!ヤマカガシでは?】
ヘビに噛まれたときに「マムシに噛まれた!」と、判断することが多いと思いますが、実は他種類の毒ヘビの可能性もあることをご存じでしょうか?それは「ヤマカガシ」です。マムシよりも猛毒のヘビで、北海道以外の地域に生息していますが、その存在を知らない方が多く、噛まれたあとに「マムシ」に噛まれたと思い込んでしまうことが多いようです。
日本の本州に生息する「マムシ」と沖縄などに生息する「ハブ」は、多くの人が知っています。マムシは【出血毒と神経毒】を主成分とする蛋白分解酵素・ヒアルロニダーゼ・ホスホリパーゼ・ポリペプチド・ブラジキニン遊離酵素などが含まれ、リンパを介して吸収されます。噛まれても1~25%は毒液の注入がないため、一過性の疼痛で治まることもあります。ただ、噛まれる部位や深さ、毒液の注入量によってショック状態になり、全身ケイレンや昏睡状態に陥り死亡する場合も。また、平均的な毒液の注入量であっても、傷から多量に出血して、皮膚が腫れ上がり壊死・脱落して皮膚に大きな穴が開いてしまうため、昔から恐れられていますが、マムシやハブよりもはるかに毒性が強いのが「ヤマカガシ」です。1972年に中学生が噛まれた死亡事故以来、毒ヘビとして認識されました。その毒性質は【出血毒】のマムシやハブの10倍以上と強く、咬まれたときの致死率は10%と高く、国内において最強の毒ヘビと言っても過言ではありません。

【マムシとヤマカガシの見分け方と致死量の違い】
マムシとヤマカガシの毒性と見分け方を覚えておきましょう!
【マムシ】体長45~60cm。体全体は薄茶で白い横シマ模様・黒目が猫のように細長い。
【ヤマカガシ】体長60~120cm。体全体にうっすら赤み色・黒目が丸い。
2匹が並んでいれば比較しやすいですが、噛んだあとに草むらに逃げてしまい、どちらのヘビか見分けがつかないときもあるので動物病院に受診したときには、それぞれの特徴が分かっているか否かを必ず獣医師に伝えてください。
半数致死量(半数の動物が死亡したときの体重1kg当りの用量mg)の基準値をLD50にした場合、毒性はヤマカガシが一番強く、マムシの約3倍、ハブの約10倍の毒性です。それだけヤマカガシは要注意な毒ヘビです!
第1位:ヤマカガシ LD50=5.3 (mg/kg) 第2位:マムシ LD50=16 (mg/kg)
第3位:ハブ LD50=54 (mg/kg)
※基準値LD50の数値が小さいほど毒性が強いです。

【動物はマムシに噛まれても死なないって噂がありますが…!?】
人はマムシに咬まれて命を落とすことが多いですが、愛犬は人に比べて毒性に比較的抵抗性があるため、死にいたることは少ないと言われています。ただし、治療は必ず必要です!毒液量によっては死亡の危険性もあり、マムシまたは、ヤマカガシか分からない場合のことを考え、早急に病院での受診を推奨します。治療は、咬傷部位の洗浄斗と消毒、塗布薬を使い、抗生剤・ステロイド投与・止血剤・強肝剤・抗ヒスタミン剤などの全身投与が選択されます。重度の場合は、人用の抗血清剤を投与する場合もあります。

【月桃ポリフェノールには、殺菌のほかに「解毒作用」も!】
亜熱帯に属し沖縄に多く産生する多年草の植物「月桃」は、厳しい紫外線から身を守るために非常に多くの抗酸化物質のポリフェノールやカロテノイドが含まれています。古来から人のリウマチ、甲状腺疾患、前立腺肥大、癌、アトピーやアレルギー、乾癬、更年期障害、ホルモン性疾患、婦人病、膀胱炎、抗老化など、さまざまな病気の治療に使われて、「命薬(ぬちぐすい)」とも言われてきました。また【病が治癒する必要条件】として最も基本的なことは、体にとって余分な有害物質を早く体外に排出する【解毒能力(排出力)】と言われており、月桃成分には、それが備わっているのです。残念なことに昨今は「出す(排出する)を忘れてしまった医学」つまり「悪い物だけを切り取ればいい」という、偏った現代医学に変化していますが、月桃成分がもつ【解毒能力(排出力)】から導く良いエビデンスや効能データを取得したサプリメントに気づき理解し、治療補助のひとつとして積極的に医療現場へ取り入れて欲しいです。

【月桃・へちま・温泉混合液は、経口投与といろんな傷口の塗布へ】
当院では、毒ヘビの咬傷に対して入院治療と同時に「月桃・へちま・温泉混合液」の経口投与と塗布治療を必ず併用しています。皮膚の損傷はもちろん、細胞レベルでのバリア機能回復、抗炎症作用を期待して副作用の少ない安心した治療を行います。また、傷の完治後も塗布を続けており、90%以上の動物(愛犬や愛猫、小動物)で発毛を実証しています。ポリフェノールは殺菌作用に優れ、傷が治癒するときに繊維物質を傷口に集合させないため、ケロイド状になりにくく、傷口がほとんど目立たなくなります。同じように外科手術後、ほとんどの症例の「術創」の管理・消毒に「月桃・へちま・温泉混合液」を使い、目立ちにくい術創になるようケアを心掛けています。
「お散歩中に、マムシに噛まれた!」など、ハプニングは突然やってきます!家族の一員である大切な愛犬には、治療実績のある安全な製品の経口投与や皮膚への塗布のケアを続けて、発毛はもちろん、病気にならないための体づくり努めていただきたいと思います。

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