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CUUN 2020年9月号「足の皮膚炎」

こんにちは。獣医師の佐々木将雄です。秋の景色と残暑が交差する今、朝晩は涼しい日もありますが、毛皮をまとっている愛犬にとって、日中の暑さを耐えしのぐための体温調整が難しい時期でもあります。そんな日が続くとストレスも加わり、体調を崩したり、皮膚病が悪化して掻いたり舐めたりと、脱毛や発赤の症状で来院されるケースが多くなっています。
今回のお悩みはアラン君の飼い主様からで、足裏の皮膚炎や草木のアレルギーを持っているので、どんなケアアイテムを選び、何に気をつけて生活したら良いのか?ということでした。飼い主様は、アラン君のために半年以上いろんな保湿剤を試していましたが、足裏や鼻周りの皮膚の発赤や痒みは改善されませんでした。しかし「アルピニア」を使用後、数日で赤みがすっかり良くなり、今では歯磨きや口周りや耳にも使い、手放せないものになっていると、嬉しい報告を受けております。
本格的な秋の深まりに向けて、草アレルギーに注意しつつ、その他いろんな原因で皮膚病が発生します。そこで、動物病院にかかる病気で一番に多い病名の「アレルギー性皮膚炎」をはじめ、多くの飼い主様が耳にする「アトピー性皮膚炎」との関係性、その予防とケアも一緒にお伝えいたします。

【アレルギー性皮膚炎とは】

皮膚病の病状には、痒み、フケ、発赤、脱毛、臭い、などがあります。特に痒い患部を後ろ足で掻いたり、ペロペロと舐めている愛犬の動作をみると心配ですよね。また愛犬は痒みによって、ストレス状態になっています。
愛犬も人間と同じように「アレルギー性皮膚炎」があって、3つに分類されます。

  1. 吸引性アレルギー
    ハウスダスト、花や草の花粉、カビなどがアレルゲンとなり、吸引すると発症する。
  2. ノミアレルギー
    ノミの唾液中にあるタンパク質がアレルゲンとなり、ノミが動物の皮膚に寄生し吸血して発症する。
  3. 接触性アレルギー
    じゅうたんや食器、首輪、洋服、シャンプー、保湿剤などの生活品がアレルゲンとなり、皮膚に触れて発症する。
    ※稀に、複数のアレルギー性疾患に同時にかかる可能性もあります。

ご相談をいただいたアラン君の場合、草木のアレルギーを持っているので「吸引性アレルギー」や「接触性アレルギー」に分類されます。アレルゲンが(アレルギー反応を引き起こす物質)どのような草木か分かれば(季節性の植物の鑑別も必要)、接触させないようにできます。また、花粉などを吸い込む吸引性の場合、散歩中に草むらへ入らないよう心掛けられます。

【アトピー性皮膚炎はアレルギー性皮膚炎の1つの種類】
異物が体内へ侵入した時に撃退する仕組みを免疫反応といいます。また、生体にとって有害な免疫反応をアレルギーといいます。アレルギーは、先に説明した3つのアレルギー反応を引き起こす『物質』と、物質に反応する『免疫防御成分や細胞(IgE抗体やTリンパ球など)』によって、4つの型【Ⅰ型(即時型)】【Ⅱ型(細胞障害型)】【Ⅲ型(免疫複合体型)】【Ⅳ型(遅延型)】に分類されます。この型が【Ⅰ型 + Ⅳ型など】2つ以上関与したアレルギーアトピー性皮膚炎といいます。アトピー性皮膚炎は、異物などに反応するアレルギー皮膚炎に対し、本来戦う必要のない正常なものに免疫の過剰反応が加わり、皮膚に炎症を起こしてしまいます。さらに、遺伝的や体質的な要因と生活環境や精神的ストレスが複雑に関与し、IgE抗体などの免疫グロブリンを産生しやすい体質の愛犬の多くは、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら慢性化していく治り難い皮膚炎になってしまいます。生後6ヶ月から3歳頃に最初の症状が出るといわれますが、年齢を重ねるごとに痒みはひどくなる傾向にあります。

【確定診断が出ても完治が困難な場合も】
2つの皮膚炎に関して獣医師は、多くの情報を収集し、アレルゲン検査や診断方法で原因を正確に特定し、飲み薬や塗り薬、シャンプーやペットフードなど、適切な処方をしなければなりません。また、正確な診断には時間がかかる場合もありますが、まずは痒みを止めることが先決です。
一般的な治療方法には、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、抗生剤、などの塗布薬を使います。痒みがひどく後ろ足で掻き過ぎたり、患部を噛んで自壊させてしまう重症例もあって、注射も優先され、経口薬や塗布薬も同時に使う場合もあります。
季節性の草木のアレルギーやノミアレルギーなど、時期が過ぎれば、痒みは落ちつきますが、ハウスダストなどの環境アレルゲンによるアトピー反応は、1年を通して皮膚の痒みや炎症を強力に抑制する薬剤を使い続けます。その場合、さまざまな臓器や組織に副作用を発現させてしまうため、慎重に治療方法を考えなければなりません。
最近の新しい治療として「分子標的薬」「免疫抑制剤」「インターフェロン」などを使っていますが、高額な薬で少なからず副作用があるということもあって、獣医師に勧められても、飼い主様が継続的に治療するか悩むことも多いようです。

【完全ではなく、最良の治療方法を選ぶ】
現状、完全な原因除去ができるアレルギー性皮膚炎は少ないといわれています。例えばアレルギーの原因が1つであっても、草木の排除や掃除機でハウスダストを1匹残らず除去することはできません。触れないように努力しても鼻から吸い込んでしまえば、体はアレルギー反応を起こしてしまいます。しかし、薬を使い続けることも考えなければなりません。そこで私が推奨しているのは①痒みや症状を緩和するための薬物療法、②天然成分で副作用の少ないアレルギー用のシャンプーや保湿剤を組み合わせたスキンケア、③低アレルギーの処方食への(病院食)変更や良質なサプリメントなどを併用し、最小限に炎症や痒みを抑える「最良の治療方法」です。

【皮膚や粘膜上皮の「バリア機能」を保つことが大切】
健康な愛犬の皮膚は、皮脂と角質によってバリア機能が保たれ、アレルゲンなどの外部刺激に対抗しています。しかし角質層は人間の1/3程度しかなく繊細な構造で、pHは7.5~7.8でアルカリ性の(人間は4.5~5.5弱酸性)皮膚は微生物が繁殖しやすいといわれています。アレルギーやアトピー性皮膚炎に罹患すると、バリア機能が低下しアレルゲンが簡単に皮膚の中に入ってしまいます。さらに悪化させる要因の細菌やマラセチアなどが混合感染すると、バリア機能の破壊や水分が蒸発します。最近では「経表皮水分蒸発量(TEWL)」の測定ができて、皮膚病の指標として用いられるようになりました。
アラン君が使っている「アルピニア」の月桃主成分は、バリア機能回復作用や抗炎症作用、経表皮水分蒸発量や油分量を抑えます。さらに皮膚炎でダメージを受けた上皮内の線維芽細胞を増殖させることも実証され、分泌されるコラーゲン、ヒアルロン酸、セラミドの量を維持します。そのため異常に増えた細菌やマラセチアを抑えて常在菌を温存し、健康な皮膚の状態へ導いてくれます。水洗いのシャンプーができない重度の皮膚病の愛犬でも、ドライシャンプーとして手軽に使えます。
先にお伝えした「最良の治療方法」の1つとして、治療実績も豊富な商品ですので、日々の皮膚ケアに活用いただきたいと思います。

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