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CUUN 2020年10月号「シニアの薄毛」

こんにちは。獣医師の佐々木将雄です。朝晩冷え込む季節となり、体調を崩す愛犬が多く来院するようになってきました。「食欲の秋」といいますが、暑い夏を乗り切って涼しくなると、愛犬も食欲がもどり過食ぎみになって、嘔吐や下痢などの胃腸障害になりやすくなりますので、食事量には気をつけてください。
本連載に携わり、ご質問をはじめ、多くの飼い主様が「月桃・へちま・温泉混合液」の商品に興味を持っていただきまして大変嬉しいです。今回は、ショコラ君の飼い主様から「シニア期に入り薄毛や脱毛症に悩み、目の周りや鼻の周りの薄毛が気になります」と、ご相談を受けましたので、シニア期と脱毛症のケアについてお伝えいたします。

【抜け毛の原因とは?生理的現象と病気の違い】
日々、愛犬と暮らしていると被毛量の増減になかなか気づかないですよね。かかりつけのトリミングサロンや動物病院に行ったときに「ちょっと、薄毛になりました?」「ブラッシングしていたら脱毛がありましたよ」と、報告を受けて慌ててしまうことも!気にかけていたつもりでも、脱毛が被毛に隠れてわからないときもあります。若い時期でもアレルギーや感染症による皮膚病で薄毛や抜毛がありますが、6歳前後からのシニア期は、加えてホルモンの分泌抑制やバランスの崩れ、免疫力の低下もあります。さらに、皮膚疾患が主症状によって(副腎皮質機能亢進疾患や甲状腺機能疾患、性ホルモン失調など)薄毛・抜け毛の発症が増加する年齢になります。「歳を取りはじめたので…」「人間の更年期障害と同じかな?」と、自己診断で病気に罹っていることに気づかない場合もありますので症状が続くようでしたら、必ず動物病院で受診して欲しいです。

【ペットの皮膚には大切な換毛期があります】
愛犬は年に2回ほど換毛期があります。被毛期は、季節による気温や気候の変化に対応するためにとても大切です。被毛には、バリア機能の役割をする太く長い毛の「オーバーコート(上毛)」と、体温調節をする柔らかい短い毛の「アンダーコート(下毛)」があります。両方が生えている犬種は『ダブルコート』といい、オーバーコートのみが生えている犬種は『シングルコート』といいます。『ダブルコート』の犬種は、ウェルシュコーギー・柴犬・ラブラドールレトリバーなどで、春と秋の換毛期には、ごっそりと抜け毛がでます。また、人間と同様に愛犬にも毛周期があり、4つの期間を(成長期・退行期・休止期・新生期)経て、毛の生え変わりが行われます。
ところが、室内飼いの場合、年に2回あるはずの換毛期が起こらないこともあります。室外飼いの愛犬と異なり、エアコンで温度調整した室内で過ごすため、夏と冬の気温の変化に対応する必要がありません。よって、室内飼いの愛犬には明確な換毛期が起こりにくく、1年中少しずつ毛が抜けて、生え替わり続けるケースが多いといわれています。

【シニア期になると薄毛になったあと被毛が生えにくくなります】
シニア期による皮膚病の罹患後やフサフサの毛並みでも突然薄毛になってしまうなど、シニア期は、被毛のコンディションが元通りになりにくくなる場合もあります。これは、体内で起こっている酸化(老化)、免疫力の低下、ホルモン活性のアンバランスが強く関係しているといわれています。
シニア期に「薄毛や脱毛症」として発症する症例のホルモン性疾患には、甲状腺機能疾患、副腎機能疾患(クッシング症候群)、性腺刺激ホルモン不全、脳下垂体前葉ホルモン不全などの併発が多くあげられます。なかでも難治性の皮膚病として、『アロペシアX』、『偽クッシング症候群』があります。これはポメラニアンに多い慢性の皮膚病で、脱毛を主症状としたホルモン失調性皮膚病です。複数のホルモン生産や分泌不全が重なって発症し、両側の胸、お腹、お尻、尾の周囲の被毛がなくなり、各部分に黒っぽい色素沈着がでてきます。こういったホルモン性疾患に罹患した場合、薬用シャンプー、ブラッシング、抗生剤やステロイド治療ではほとんど反応しないため、ホルモン治療が行われ、より専門性の高い動物病院で診察を受けなければなりません。

【日常出来るスキンケアで皮膚病を防ぐ】
薄毛や脱毛にはいろんな原因がありますが、被毛や皮膚を清潔に保つことが皮膚病を発症させない最も重要なポイントとなります。そのためにはシャンプーやブラッシングは、免疫力や抵抗力が低下するシニア期ほど大切になってきますので、嫌がらないよう、若い時期からシャンプーやブラッシングの習慣を身につけましょう!
また、薄毛や脱毛は「①精神的なストレスによる抜け毛」、「②身体的なストレスによる抜け毛」の、2つのストレスタイプがあります。愛犬は「精神的なストレス」を感じると、自分の身体を舐めて心を落ち着かせようとします。飼い主様がみていない間に、前足やお腹など舐めやすい部分にのみ、抜け毛をみつけた場合に心因性ストレスによる脱毛症を引き起こすことになります。
一方、手術やそれに伴う入院など、身体的なストレスが加わった場合、身体全体の毛がなんとなく薄くなったり、手術時の毛刈り跡がなかなか生えないこともあります。このようなストレス性脱毛は、元通りの環境にもどると回復することがありますが、シニア期の場合は不可逆的になることもあります。

【薄毛になった場合の対処方法】
抜け毛に気づいたときは、獣医師に相談して、原因を特定することが重要です。他にも、診断された病気の治療効果を知る、治療法に反応しない難治性の診断もわかるなど、適切な診断を受けられます。また日常生活において、飼い主様は食事の「質」の見直しと、足りない栄養素の補給に注視してください。この2つは、先に述べたシャンプー、ブラッシング、ストレス解消など、飼い主様が日々できる最も大切なケアであり、薄毛や皮膚病になりにくい身体づくりが必要不可欠な要素になります。
今回も「月桃・へちま・温泉混合液」を成分とした商品の塗布を推奨いたします。
月桃ポリフェノール、へちまのアミノ酸、天然温泉のミネラルは、被毛のヘアサイクルを
整える特性を持っています。特に月桃ポリフェノールは、大手製薬メーカーで人間用の育毛剤の商品としても販売されています。ストレスや加齢がもとで、ホルモンバランスの不調による抜け毛の予防と育毛を促す月桃ポリフェノールは、イソフラボンやリグナンなどの女性ホルモンのエストロゲンに似た有効な成分であると論文で証明され、シニア期の更年期障害のケアとして、長年にわたり使われています。また、頭皮の新陳代謝が衰えると、ヘアサイクルが順調に繰り返されなくなってしまい、毛根に十分な栄養が行き届かなくなってしまいます。月桃ポリフェノールは、某薬科大学の研究結果でも血管拡張作用が認められ、毛根の血流改善や新陳代謝を活発にして、発毛効果がより一層期待されています。当院でも「月桃・へちま・温泉混合液」を成分とした商品を多くの愛犬をはじめ、猫、ウサギ、フェレット、ハムスター、インコなどに処方していますが「被毛が密になった」「薄毛がフサフサになった」と、嬉しいお声をいただいています。
家族の一員である大切な愛犬にも、治療実績のある安全な商品を日々の皮膚ケアに使っていただき、病気にならないための体づくりに努めて欲しいです。

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